目次
最低賃金法ってどんな法律?
最低賃金法は、「これより低い給料では働かせてはいけない」という最低限の賃金額を法律で決めて、すべての労働者を守るための法律です。
国が地域や産業ごとに最低賃金を決め、会社はどんな雇用形態であっても、この金額以上の時給で働かせる必要があります。
これは正社員・パート・アルバイト・派遣社員すべてに適用される「最低ライン」です。
この法律がないとどうなる?
働く人が、あまりにも低い時給で働かされてしまう可能性があります。
最低賃金の基準がなければ、生活できない水準の賃金でも雇うことが合法になってしまい、貧困や格差の拡大につながりかねません。
この法律は、すべての労働者が「人間らしい生活」を送れる最低限の保障を実現するために、国が定めた制度です。
この法律を守らなかったら?
最低賃金法に違反し、最低賃金未満の賃金で労働者を雇った場合、罰則(50万円以下の罰金)が科される可能性があります。
実際には、まず労働基準監督署による是正勧告が行われ、それでも改善されない場合に刑事処分に至ることがあります。
たとえばこんな場面(一般的な事例)
- 1時間800円でアルバイト契約を結んだが、その地域の最低賃金は930円だった
→ 最低賃金法違反。契約自体が無効になり、差額を請求できる可能性があります - 基本給は最低賃金以上だが、そこに「交通費込み」と書かれていた
→ 最低賃金には通勤手当・残業代・賞与などは含めてはいけません - 一律の手当込みで「最低賃金を満たしている」と言われた
→ 手当の性質によってはカウントされないものもあり、実際は違反になる場合もあります
※自分の時給が最低賃金を下回っていないか、必ず「時給換算」でチェックしましょう。
最低賃金の決まり方
地域別最低賃金
- 都道府県ごとに毎年改定されます(目安は10月)
- たとえば令和6年度では、東京:1,113円/大阪:1,064円など
- 働いている場所の地域が適用基準です(住んでいる場所ではありません)
特定(産業別)最低賃金
- 特定の業種(例:鉄鋼業・自動車整備など)に定められる場合があります
- 地域別最低賃金よりも高い場合はそちらが優先されます
どこまでが「賃金」としてカウントされる?
最低賃金に含まれるもの
- 基本給
- 職務手当・職能手当など、毎月決まって支給される賃金
含まれないもの(除外される賃金)
- 通勤手当(交通費)
- 時間外手当(残業代)
- 賞与(ボーナス)
- 臨時的・変動的な手当(皆勤手当など)
最低賃金を下回っていたときは?
- その契約部分は無効になり、最低賃金との差額を請求することができます
- まずは労働基準監督署に相談。無料でアドバイスや是正指導が受けられます
用語の補足
- 最低賃金:労働者に支払うことが義務づけられた、最低限の賃金額
- 地域別最低賃金:都道府県ごとに設定される最低限の時給
- 特定最低賃金:特定の産業ごとに定められる最低限の賃金(より高い方が優先)
注意点
このページは、最低賃金法の内容をやさしく紹介するもので、教育・啓発を目的としています。
内容は一般的な情報に基づいており、すべての状況にあてはまるとは限りません。
具体的な判断が必要な場合は、弁護士や労働基準監督署などの専門機関へご相談ください。
本サイトは法律相談を行うものではなく、AI技術を活用して情報を提供しています。
掲載している情報には細心の注意を払っていますが、正確性や最新性を保証するものではありません。
参考リンク
- 出典:e-Gov法令検索(最低賃金法)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000137
あなたの思ったことを共有しよう!