労働基準法ってどんな法律?
労働基準法は、働く人の「命と暮らしを守る」ために作られた法律です。働く時間、休み、給料、安全などについて、国が最低限守るべきルールを定めています。
会社と労働者の間には、力の差がある場合も多く、一方的に不利な条件で働かされることを防ぐために、この法律があります。
この法律のルールは全国すべての職場で共通です。これより悪い条件では働かせてはいけません。
この法律がないとどうなる?
たとえば、労働時間の上限がなければ、長時間働かされて健康を害する人が出てしまいます。給料の支払いのルールがなければ、突然の未払いなどで生活が立ち行かなくなる人も出るでしょう。
労働基準法は、最低限のラインを法律で決めて、働く人が安心して働ける社会をつくるために重要な役割を果たしています。
この法律を守らなかったら?
労働基準法に違反すると、労働基準監督署から是正指導や勧告を受けることがあります。命にかかわるような重大な違反や、繰り返される悪質な行為については、書類送検・罰則の対象になることもあります。
違反が疑われるときは、証拠となる資料(雇用契約書、給与明細、タイムカードなど)をもって、労働基準監督署へ相談することができます。
たとえばこんな場面(一般的な事例)
- 「残業代が出ないと言われた」→ 残業が法定時間を超える場合は、割増賃金の支払いが必要です
- 「1か月以上、給料が支払われていない」→ 原則、月1回以上の支払いが必要です
- 「休憩が取れず、ずっと働かされている」→ 所定時間を超える場合、休憩の確保が義務です
※証拠があれば相談がスムーズになります。メモやLINEのやりとりなども記録として役立つことがあります。
労働時間・休憩・休日のルール
基本のルール
- 原則:1日8時間、週40時間が上限
- これを超える労働をさせるには「36協定(さぶろくきょうてい)」が必要です
休憩と休日の考え方
- 6時間を超える勤務には、45分以上の休憩が必要
- 8時間を超える場合は、60分以上
- 休日は、毎週少なくとも1日(または4週間で4日以上)必要です
給与・残業代の決まり
給料の支払いルール
- 給料は「毎月1回以上」「一定の日」に「現金」で「全額」支払うのが原則です
- 控除(差し引き)がある場合は、事前の合意や法律上の根拠が必要です
割増賃金(残業・深夜・休日)
- 時間外労働(8時間/40時間超え)→ 25%以上
- 深夜労働(22時〜翌5時)→ 25%以上
- 休日労働(法定休日)→ 35%以上
※労働時間の把握にはタイムカードや勤怠記録が重要です。
安全・健康とケガへの備え
安全衛生管理
- 会社は、労働者の生命・健康を守る責任があります
- 安全装置の設置や作業マニュアルの整備も含まれます
労災への対応
- 業務中・通勤中のケガや病気は、労災保険の対象です
- 休業補償・治療費の支給などの制度があります
用語の補足
- 36協定(さぶろくきょうてい):時間外労働や休日労働を行うために必要な協定
- 法定労働時間:法律で定められた1日8時間・週40時間の上限
- 割増賃金:通常より高い賃金率で支払われる残業・深夜・休日の賃金
注意点
このページは、労働基準法の内容をやさしく紹介するもので、教育・啓発を目的としています。
内容は一般的な情報に基づいており、すべての状況にあてはまるとは限りません。
具体的な判断が必要な場合は、弁護士や労働基準監督署などの専門機関へご相談ください。
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参考リンク
- 出典:e-Gov法令検索(労働基準法)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049